2010年12月6日月曜日

常盤の医療検査学科は、補体成分の活性測定ができる日本で唯一の研究機関です

医療検査学科 畑中

皆さんは「補体(ほたい)」ってきいたことがありますか?


補体とは、血清の中にある蛋白質群で、免疫システムのひとつです。補体が正常にはたらいていれば、体の中に入ってきた細菌やウイルスなどの異物に目印をつけて、白血球を呼び寄せ白血球が異物を食べやすくしたり、補体の成分が集合して異物の膜に穴をあけて殺してくれます。つまり補体は感染症や自己免疫疾患を回避する、生体防御の要なのです。私たちは生まれながらに細菌やウイルスに穴をあけるような武器を体の中にもっているのです。驚きですね。

ですから、感染症に繰り返しかかる、あるいは重篤な自己免疫疾患にかかり、治療をしても回復しないといった症状を示す患者さんの中には、補体の異常が原因である可能性があります。そのため補体を測定し、異常がないかを調べるのです。

測定にはいろいろな方法があり、補体全体としての働きを測定することは他の機関でもできますが、本校だけが日本で唯一、補体の各成分を個別に測定することができます。そのため全国の医療機関の医師から検査の依頼が寄せられています。実際に欠損症がわかった例もありますが、欠損症では無いとわかった場合でも、今行っている治療法を安心して継続できると、依頼された医師に喜んでいただいています。




この取り組みは、社会や医療に貢献できる、大変重要で価値のあるものと自負しています。